ベターを探す力が足りない・・・
    「何も選ばない」生き方のすすめ

愚妻という言葉を使うと、非難されるらしい。
所有物のように、上から目線で配偶者を呼ぶことは
現代の社会では通用しなくなったようだ。

朝、洗面所で歯を磨いていると、風呂から出たときに
足を拭くマットが濡れたままひいてある。いつもは
最後に風呂を出た者が、風呂場の中のポールに干す
ことになっているのだが、誰かがそれを忘れたのかも
知れない。それにしても、風呂場にしか干さないから
いつも湿っているし、頼まなければ半年でも1年でも
洗ってくれない。


僕「たまにはマット、外に干したら」(本心は洗って欲しい)

妻「はい。」

風呂場でパタパタとはたき始める。横で歯を
磨いているので、鼻から吸ってむせそうになる。

僕「どこに干すつもりなの?」

妻「ベランダに干そうと思っているんですけど・・」

僕「今、洗濯機で回してる分は干せるの?」

妻「1Fの方がいいですか?」(出た、愚問返し)

僕「ベランダに干せるんだったらいいけど・・」

妻「1Fのフェンスに干します」

僕「だったら、そこではたいてくれる?」

妻「ああ、はい」


こんなやりとりは日常茶飯事。40歳になるのに、
家事の判断能力が一向に成長しない。

これを、愚妻と呼んで、何が悪かろう。
「うちのバカ女」と呼びたいくらいじゃ!。

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死んでからゆっくり寝る
    「何も選ばない」生き方のすすめ

漆 紫穂子  品川女子学院 

 10月に始まったこの連載を2カ月間ご愛読いただき、ありがとうございました。思うところがあって、これを最後にさせていただくことになりました。

 私が教員になって、今年で25年になります。その間、ひたすら目の前の生徒と卒業生のことを考えて仕事をしてきたため、私には学校以外の職場経験がありません。これは、私にとってコンプレックスになっています。

 連載執筆のお話をいただいた時も、「大人の方の、ましてやビジネスの第一線で活躍なさっている読者の皆さんにとって、私の経験してきた話が果たしてお役に立つものなのか」と、とても不安でした。

 しかし毎回多くの方にご覧いただき、温かいコメントを頂戴し、それら一つひとつを読むたびに背中を押され、ここまで回を重ねることができました。

 毎回原稿を書く時、「私の経験の中の、どんな話が皆さんの役に立つのだろうか」と、何度も書き直し、悪戦苦闘していました。しかしそのことで、これまでのことを客観的に振り返ることができ、私自身、たくさんの“気づき”を得ることができました。

 自分の言葉は、自分に返ってきます。

 私は朝礼で生徒に話をしている時、「人に言えるほど、私自身はそれができているのだろうか」という思いに駆られ、言葉に詰まることがあります。そんな時は、「この子たちは私を遙かに超えて成長し、社会に出て行くのだから」と自分に言い聞かせて話を続けます。

 このコラムでも「今回の記事で過去の体験を書いたけれど、今の私はそれをちゃんとできているのか?」「この改革が必要なのは、今の本校なのでは?」と自問することが多くありました。

 組織は生きています。

 舵を右に切りすぎれば左に問題が起き、常にバランスを取っていかなければなりません。かつて壁を乗り越えたはずの、同じ根っこの問題が、しばらくすると新型のインフルエンザのように形を変えてやってくることもあります。

 目標も、ここまでということがありません。今見えている一番高い山をやっと登りきったと思ったら、すぐに次の山が見えてきます。ストレートな道をずっと進んでいけるということはなく、螺旋階段を上りながら少しずつ進化していくような感じです。

 ある経営者が言っていました。「死んでからゆっくり寝る」と。私も同じ心境です。

 今、教員一人ひとりに1時間ずつ時間をとってもらい、ヒアリングをしています。校長になって3年目、仕事の器の大きさに何とか自分を合わせようとして必死でもがいているうちに、自分の見えないところに「もっとこうできる」「もっとこうしなければいけない」という課題や問題点が、予想以上にたまってきていることに気づかされました。

 「それが見えたからには、すぐに何とかしたい」というのが今の気持ちです。ちょうど二十数年前、改革を始めた時の思いと同じです。

 私は来年、母が病に倒れたその年齢になります。課題の大きさに比べ、残された時間はそう長くないかもしれません。「自分がいなくても進化し続ける学校」にすることが私の責任。「みんなが夢中になって好きなことができる学校」をつくることが私の夢です。

 これまで私のコラムを読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。もし、これを楽しみにしてくださっていた方がいらっしゃるとすれば、とても申し訳ないのですが、今は、目の前の生徒のために使う時間を最優先にしたいのです。どうかご理解ください。
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