2006-11-26 Sun
「何も選ばない」生き方のすすめ
ユニフォーム姿三四郎は読書が好きだ。森鷗外や夏目漱石は
高校時代から大学時代に読破した。
特に森鴎外については、「文づかひ」「舞姫」などの作品を研究
していた。この年になるまで、日常の忙しさに埋もれて少し文学
に触れていなかったのだが、最近はすこしだけ当時のように読書
できる時間が持てている。
昨日、久しぶりに大型の書籍店に足を運んだ。通常は、ほとんど
amazonで探したり、購入したりしているから、本当に久しぶりに
大型の本屋さんに行ってみた。日本文学の棚に並んでいたもの
で、偶然に目に入った「舞姫」の文字。でも、原作の「舞姫」では
なく、下記の書籍。
『舞姫』―エリス、ユダヤ人論 荻原 雄一
エリスがユダヤ人である可能性については、
舞姫でエリスが暮らす街の描写がユダヤ人街を感じさせる
ことから高いものと思われる。上記の書籍よりも
先に発表された植木哲さんの書籍では、熱心な調査から
エリスが仕立屋の娘であることまでたどり着いているので、
ますますユダヤ人である可能性が高くなった。
(当時のユダヤ人の職業には仕立屋が多いらしい。)
ただ、ナチスのユダヤ人弾圧があったはずなのに、
第二次世界大戦後まで生き延びたという情報が植木
教授の書籍にあったので「ユダヤ人では無いのかも?」
という予想もよぎっていました。
追記:2010.11.19の放送を見ました。ルイーゼ・ヴィーゲルトは
ユダヤ人ではありませんでした。父はカトリックで母は
プロテスタントというキリスト教を信仰する両親から
生まれたということが古い教会の資料からも証明
されています。
(wikipediaに「ナチス出現直前の差別感情著しいドイツで
7割近いユダヤ人がキリスト教徒と結婚しており」との
記述あり。人種としてのユダヤ人であったかも知れないが・・・。)
上記書籍でも多少批判的に記述されているが、植木哲さん
の研究には、多少危うい点があるようだ。しかし最新の研究で
あり、出典の戸籍などが事実であれば、かなり信憑性の高い
発見だろう。乗船名簿がWiegertであるのに、「Weigertと
間違えているのでは無いか」というような都合のよい予想が
多かったので、植木哲さん以外の他の多くの論文が、
読んでいても、なにかフワフワしていて気持ち悪かった。
植木哲さんの調査でWiegertが見つかったのだから、
すべて解決するような論文となるのかも知れない。
『新説 鴎外の恋人エリス』 植木哲
16歳のアンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトは裕福な仕立屋の娘で、鴎外のベルリン滞在中に祖父を亡くし、財産を相続している。杏奴(あんぬ)、類(るい)という名は、アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトから引用したとの仮説がある。
ルイーゼ・ヴィーゲルト Anna Bertha Luise Wiegert - 森鴎外のドイツ留学時代の恋人。裕福な仕立屋の娘。1888年9月12日、鴎外を追って来日し、1ヵ月後に帰国。『舞姫』のエリスのモデル。鴎外の二女杏奴(あんぬ)はAnna、三男類(るい)はLuiseから命名されたとする説もある。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA)
また、下記ように非公開の資料の存在を示唆する方もあり、
ユニフォーム姿三四郎は期待してしまうのです。
鴎外の母、峰子の日記(『峰子日記』)は肝心の一部が公開されておらず、鴎外のこの件に関する資料も森家に残されていると思われるが、非公開のままである。死期を悟った鴎外は、夫人を呼び、眼前でおびただしい手紙や写真を焼却させたとされているが、すべて灰燼に帰したかどうか疑問が残る。(http://rofrano.blog46.fc2.com/blog-entry-15.html)
いずれにしても、テレビ局の取材では、鴎外より5歳年上で、
2人の子持ちの人妻が、3ヶ月以上も家を空けて鴎外を
追って来たような番組を放映してしまったので、エリス像に
が崩れてガッカリしていた読者も多かったと思う。
ただ、研究者はこの番組に首をかしげた人が多かったようだ。
植木哲さんの研究で上記のテレビの「子持ち人妻説」は
かなり信憑性が低くなったので有り難い。植木哲さんが
発見した「裕福な仕立屋の娘」が鴎外の恋人エリスで
あるなら、なんとなく整合性があっているように思う。
ユニフォーム姿三四郎は大学の卒論で、「舞姫-隠れ蓑」論を記述して
いたので、年とともに舞姫に鴎外が織り込んだ事実の数々が解き明かされ
ていることを知って、とても幸せになるのでした。
扣鈕(ぼたん)
南山の たたかいの日に
袖口の こがねのぼたん
ひとつおとしつ
その扣鈕惜し
べるりんの 都大路の
ぱっさあじゅ 電灯あおき
店にて買いぬ
はたとせまえに
えぽれっと かがやきし友
こがね髪 ゆらぎし少女
はや老いにけん
死にもやしけん
(『うた日記』より)
エリスとの別れ、最初の結婚と離婚。その後、壮年になって
詠われた「扣鈕」。これらの、鴎外が歩んだ人生の一貫性を
を繋げると、鴎外がずっとエリスとその思い出を大切にしていた
ことが伝わってきて、ユニフォーム姿三四郎は安心するのでした。

「舞姫」の主人公エリスのモデルとみられる、61歳ごろのアンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト(左)とその家族

刺繍用の型金の中央上部には、W、B、A、Lというルイーゼのイニシャルが×印でかたどられていた
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆ ☆☆☆
☆☆☆ ユニフォーム姿三四郎が紹介されています ☆☆☆
☆☆☆ ☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
■2010.11.11追記
以下のニュースが入ってきた。下記のニュースにある
「2000年、不動産登記簿などから、エリスのモデルが
アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトではないかと
する説が現れた」とあるのは、植木哲さんの研究のこと
だと思います。植木哲の説を後押しする発見ですね。
嬉しいです!。
「舞姫」のヒロイン、モデル特定に新証拠
テレビ番組制作会社「テレビマンユニオン」のディレクター・今野勉さん(74)が、森鴎外の遺品の型板などから代表作「舞姫」のヒロイン・エリスのモデルとなった女性を特定する新たな証拠を確認したことが分かった。
今野さんは鴎外の生涯を描いたドラマ「獅子のごとく」(1978年)の演出を手がけ、エリスのモデルに関心を持った。当時、この女性から鴎外に贈られたと見られる刺しゅう用の型板の上方に「W」「B」の文字を発見し、今野さんは「エリスはW・Bのイニシャルを持つ女性ではないか」と推測していた。
2000年、不動産登記簿などから、エリスのモデルが「アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト」ではないかとする説が現れたのを踏まえ、再度、型板を検証したところ、型板の上方に「W」「B」のほかに「A」「L」の文字も確認することが出来たという。
(2010年11月11日03時08分 読売新聞)
今野さんは今年6~7月にドイツやフランスなどで取材し、アンナの孫へのインタビューを行ったほか、晩年のアンナの写真を入手した。鴎外の次女杏奴(あんぬ)、三男類(るい)の名前も「アンナ・ベルタ・ルイーゼ」から取ったのではないかと登記簿の発見者、植木哲(さとし)氏も指摘しているが、今野さんは、「その仮説が裏付けられたのではないか。ドイツからはるばる日本へ来たエリスを帰したわけだが、生涯、悔恨の念を抱きながら忘れ得なかったということだろう」と話している。
この取材をまとめたドキュメンタリー「鴎外の恋人~百二十年後の真実~」は19日午後8時からNHK衛星ハイビジョンで放送される。
(2010年11月11日 読売新聞)
ユニフォーム姿三四郎は読書が好きだ。森鷗外や夏目漱石は
高校時代から大学時代に読破した。
特に森鴎外については、「文づかひ」「舞姫」などの作品を研究
していた。この年になるまで、日常の忙しさに埋もれて少し文学
に触れていなかったのだが、最近はすこしだけ当時のように読書
できる時間が持てている。
昨日、久しぶりに大型の書籍店に足を運んだ。通常は、ほとんど
amazonで探したり、購入したりしているから、本当に久しぶりに
大型の本屋さんに行ってみた。日本文学の棚に並んでいたもの
で、偶然に目に入った「舞姫」の文字。でも、原作の「舞姫」では
なく、下記の書籍。
『舞姫』―エリス、ユダヤ人論 荻原 雄一
エリスがユダヤ人である可能性については、
舞姫でエリスが暮らす街の描写がユダヤ人街を感じさせる
ことから高いものと思われる。上記の書籍よりも
先に発表された植木哲さんの書籍では、熱心な調査から
エリスが仕立屋の娘であることまでたどり着いているので、
ますますユダヤ人である可能性が高くなった。
(当時のユダヤ人の職業には仕立屋が多いらしい。)
ただ、ナチスのユダヤ人弾圧があったはずなのに、
第二次世界大戦後まで生き延びたという情報が植木
教授の書籍にあったので「ユダヤ人では無いのかも?」
という予想もよぎっていました。
追記:2010.11.19の放送を見ました。ルイーゼ・ヴィーゲルトは
ユダヤ人ではありませんでした。父はカトリックで母は
プロテスタントというキリスト教を信仰する両親から
生まれたということが古い教会の資料からも証明
されています。
(wikipediaに「ナチス出現直前の差別感情著しいドイツで
7割近いユダヤ人がキリスト教徒と結婚しており」との
記述あり。人種としてのユダヤ人であったかも知れないが・・・。)
上記書籍でも多少批判的に記述されているが、植木哲さん
の研究には、多少危うい点があるようだ。しかし最新の研究で
あり、出典の戸籍などが事実であれば、かなり信憑性の高い
発見だろう。乗船名簿がWiegertであるのに、「Weigertと
間違えているのでは無いか」というような都合のよい予想が
多かったので、植木哲さん以外の他の多くの論文が、
読んでいても、なにかフワフワしていて気持ち悪かった。
植木哲さんの調査でWiegertが見つかったのだから、
すべて解決するような論文となるのかも知れない。
『新説 鴎外の恋人エリス』 植木哲
16歳のアンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトは裕福な仕立屋の娘で、鴎外のベルリン滞在中に祖父を亡くし、財産を相続している。杏奴(あんぬ)、類(るい)という名は、アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトから引用したとの仮説がある。
ルイーゼ・ヴィーゲルト Anna Bertha Luise Wiegert - 森鴎外のドイツ留学時代の恋人。裕福な仕立屋の娘。1888年9月12日、鴎外を追って来日し、1ヵ月後に帰国。『舞姫』のエリスのモデル。鴎外の二女杏奴(あんぬ)はAnna、三男類(るい)はLuiseから命名されたとする説もある。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA)
また、下記ように非公開の資料の存在を示唆する方もあり、
ユニフォーム姿三四郎は期待してしまうのです。
鴎外の母、峰子の日記(『峰子日記』)は肝心の一部が公開されておらず、鴎外のこの件に関する資料も森家に残されていると思われるが、非公開のままである。死期を悟った鴎外は、夫人を呼び、眼前でおびただしい手紙や写真を焼却させたとされているが、すべて灰燼に帰したかどうか疑問が残る。(http://rofrano.blog46.fc2.com/blog-entry-15.html)
いずれにしても、テレビ局の取材では、鴎外より5歳年上で、
2人の子持ちの人妻が、3ヶ月以上も家を空けて鴎外を
追って来たような番組を放映してしまったので、エリス像に
が崩れてガッカリしていた読者も多かったと思う。
ただ、研究者はこの番組に首をかしげた人が多かったようだ。
植木哲さんの研究で上記のテレビの「子持ち人妻説」は
かなり信憑性が低くなったので有り難い。植木哲さんが
発見した「裕福な仕立屋の娘」が鴎外の恋人エリスで
あるなら、なんとなく整合性があっているように思う。
ユニフォーム姿三四郎は大学の卒論で、「舞姫-隠れ蓑」論を記述して
いたので、年とともに舞姫に鴎外が織り込んだ事実の数々が解き明かされ
ていることを知って、とても幸せになるのでした。
扣鈕(ぼたん)
南山の たたかいの日に
袖口の こがねのぼたん
ひとつおとしつ
その扣鈕惜し
べるりんの 都大路の
ぱっさあじゅ 電灯あおき
店にて買いぬ
はたとせまえに
えぽれっと かがやきし友
こがね髪 ゆらぎし少女
はや老いにけん
死にもやしけん
(『うた日記』より)
エリスとの別れ、最初の結婚と離婚。その後、壮年になって
詠われた「扣鈕」。これらの、鴎外が歩んだ人生の一貫性を
を繋げると、鴎外がずっとエリスとその思い出を大切にしていた
ことが伝わってきて、ユニフォーム姿三四郎は安心するのでした。

「舞姫」の主人公エリスのモデルとみられる、61歳ごろのアンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト(左)とその家族

刺繍用の型金の中央上部には、W、B、A、Lというルイーゼのイニシャルが×印でかたどられていた
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☆☆☆ ☆☆☆
☆☆☆ ユニフォーム姿三四郎が紹介されています ☆☆☆
☆☆☆ ☆☆☆
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■2010.11.11追記
以下のニュースが入ってきた。下記のニュースにある
「2000年、不動産登記簿などから、エリスのモデルが
アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトではないかと
する説が現れた」とあるのは、植木哲さんの研究のこと
だと思います。植木哲の説を後押しする発見ですね。
嬉しいです!。
「舞姫」のヒロイン、モデル特定に新証拠
テレビ番組制作会社「テレビマンユニオン」のディレクター・今野勉さん(74)が、森鴎外の遺品の型板などから代表作「舞姫」のヒロイン・エリスのモデルとなった女性を特定する新たな証拠を確認したことが分かった。
今野さんは鴎外の生涯を描いたドラマ「獅子のごとく」(1978年)の演出を手がけ、エリスのモデルに関心を持った。当時、この女性から鴎外に贈られたと見られる刺しゅう用の型板の上方に「W」「B」の文字を発見し、今野さんは「エリスはW・Bのイニシャルを持つ女性ではないか」と推測していた。
2000年、不動産登記簿などから、エリスのモデルが「アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト」ではないかとする説が現れたのを踏まえ、再度、型板を検証したところ、型板の上方に「W」「B」のほかに「A」「L」の文字も確認することが出来たという。
(2010年11月11日03時08分 読売新聞)
今野さんは今年6~7月にドイツやフランスなどで取材し、アンナの孫へのインタビューを行ったほか、晩年のアンナの写真を入手した。鴎外の次女杏奴(あんぬ)、三男類(るい)の名前も「アンナ・ベルタ・ルイーゼ」から取ったのではないかと登記簿の発見者、植木哲(さとし)氏も指摘しているが、今野さんは、「その仮説が裏付けられたのではないか。ドイツからはるばる日本へ来たエリスを帰したわけだが、生涯、悔恨の念を抱きながら忘れ得なかったということだろう」と話している。
この取材をまとめたドキュメンタリー「鴎外の恋人~百二十年後の真実~」は19日午後8時からNHK衛星ハイビジョンで放送される。
(2010年11月11日 読売新聞)
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